ヘッジファンド証券コラム

ヘッジファンドの弱み

掲載日:2014-10-22

ヘッジファンドと一般の投資信託は、同じ合同運用をする金融商品でも、投資戦略、運用方法などが大きく異なります。その特殊性からみられるヘッジファンドの弱みを見ていきましょう。

手数料が高い、成功報酬がかかる

多くのヘッジファンドは、市場全体が値下がりしてもプラスの収益を得ることを目指します。そこで、一般の投資信託が投資対象資産を買って保有するシンプルな運用であることに対して、ヘッジファンドは金融工学を使った分析や先物・オプションなどデリバティブを活用するなど、高度で複雑な技術が必要です。そのため、ファンドの運用や管理に対する費用が、一般の投資信託よりも高くなります。一般の投資信託の信託報酬は年率0.5%~3.0%程度が大勢ですが、ヘッジファンドでは概ね年率2.0%~5.0%です。

また、一般の投資信託には現在ほとんど見られない「成功報酬」が、ヘッジファンドには一般的に設定されています。成功報酬とは、収益の目標値を設定して「それを超えた部分の20%~30%」を運用会社(ファンドマネージャー)が受取るというものです。分かりやすくいえば、ファンドが上げた収益のうち、20%~30%をファンドマネージャーに、残りの80%~70%が投資家の取り分となります。

成功報酬が発生するための最低ライン=収益の目標値を「過去最高値」として、それを超えた部分を成功報酬の対象とする方式を「ハイウォーターマーク方式」といい、よく採用されています。この方式では、常に前年までの高値を超えないと成功報酬が発生しないことになります。
成功報酬の存在は投資家にとってコスト負担にはなりますが、ファンドマネージャーの収益追求に対するモチベーションを大きく左右するといわれており、実際、それを払っても十分といえる運用成果を出して、販売停止になるほど人気のあるヘッジファンドも数多く存在します。

100万円~1,000万円からと最低投資金額が高い

一般の投資信託は、最低単位が1万円程度から購入でき、最近のインターネット証券では毎月積立で1,000円からでも購入できるファンドもあります。これは、一つのファンドあたり数千人~数万人もの投資家が参加し、日々、自由に資金が出入りできる商品性だからです。それに対してヘッジファンドは、運用内容が複雑で高度であるため誰でも買える商品ではなく、機関投資家(プロの法人投資家)と富裕層の個人投資家向けに提供されています。本来、最低投資金額は数千万~数億円であり、最近では金額の低下傾向が見られるものの、それでも、100万円~1,000万円は必要です。

また解約できる頻度も、一般の投資信託のように毎日というわけにはいかず、6カ月に1回、3カ月に1回、多いものでも月に1回と限られています。解約の申込みから換金までの期間も長く、45日必要な場合も多いので確認が必要です。

情報開示が少ない

一般の投資信託は、ファンドの時価(基準価額)が毎日計算され公表されています。
また、投資信託協会、Yahoo!ファイナンス、モーニングスター社などのサイトでは、運用成果をグラフで表示したり複数のファンドを比較するツールなどを一般投資家でも簡単に利用できるようになっています。一方、ヘッジファンドでは基準価額の算出は多くても月に1回であり、公表もされていないため、比較検討できるツールはありません。

また一般の投資信託は、運用内容が毎月1回(ファンドによっては週に1回)レポートされ、運用会社や販売会社のホームページに掲載されています。さらに、決算時に作成される運用報告書には、ファンドが保有するすべての銘柄が開示されています。
それに対して、ヘッジファンドは情報開示があまりありません。運用手法が企業秘密レベルの高度なものであったり、保有状況を開示することで他の投資家がそれを知って行動するとファンドの運用戦略が上手く機能しなくなることもあるからです。

以上のように、ヘッジファンドにはいくつかの弱み(不便さ)がありますが、どれも、そのレベルの高い運用技術や良好なパフォーマンスを守るための制限ということができます。





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