ヘッジファンド証券コラム

投資と貯蓄のバランス

掲載日:2014-08-27

貯蓄の代表的なものは銀行預金です。証券会社で取扱うMMF(Money Management Fund:マネーマネジメントファンド)やMRF(Money Reserve Fund:マネーリザーブファンド)も貯蓄性があるといってもよいかもしれません。それらは、収益性は低いものの安定的な資産運用方法の一つではあります。それでは、貯蓄と対局にある投資とのバランス=配分割合をどのように考えたらよいのでしょうか。

貯蓄と投資の違い

投資はリスク(価格変動)が大きいものですが、その反面、期待収益も大きく、資産形成の面で有効な手段です。一方で、貯蓄(銀行預金やMMFなど)は、リスクは小さいものの収益も低く、貯蓄だけでは物価の上昇に付いていくことができません。その反面、貯蓄が、いつでも簡単に、損失なく引出せること(流動性の高さ)は、投資とは異なるメリットでもあります。

そこで、安全で流動性の高い資産を持ちながら積極的に資産を増やしていくために、貯蓄と投資の両方のメリットを活かし、両輪で支えるポートフォリオを考えることができます。

貯蓄額の考え方

資産運用は、自分の生活資金を守りながら行うのが大前提であり、「万一、全額がなくなったとしても生活に困らない金額」をリスクの高い投資にまわします。逆に見れば、リスクを採らずに守っていく資金を貯蓄として手元に残します。そういった意味から、保有する財産の金額、収入の有無や金額、年齢によって、投資に回せる金額(貯蓄すべき金額)は異なってきます。

例えば、よく一概に「保有資産が1億円を超える場合、50%をリスク資産(投資)に振向ける」といわれますが、この場合、投資額は5,000万円、貯蓄額も5,000万円となります。この貯蓄は、収入のある人にとっては十分と考えられますが、収入がない場合はどうでしょうか。リーマンショックのような世界的な資産価値の暴落があると、一生暮らしていくにはやや心もとない金額になるかもしれません。これが、保有資産が10億円を超えてくると、収入の有無にかかわらず、5億円も貯蓄があれば十分でしょう。また、「100から年齢を引いた分を投資にまわす」という説もあります。25歳ならば75%(100-25)を投資に25%を貯蓄に、55歳ならば45%を投資に55%を貯蓄にというわけです。しかし、これも25歳だからといって財産が300万円のところ貯蓄が25%の75万円では不安があるかもしれません。

さらに突き詰めれば、各人が現在、生活に使っている金額、これ以上生活水準は落としたくないという金額のほか各人の性格(株価の変動が気になって眠れないなど)も考慮すると、人によって投資金額・貯蓄額は千差万別ということになります。

貯蓄額(割合)の指針

投資と貯蓄の配分は、各人の事情、属性によって異なるものですが、仮に、財産や収入に相当の余裕があったとしても、投資と貯蓄のバランスとして「基本的に、30%は貯蓄を持ちましょう」という考え方があります。これは、投資リスクの管理という観点から考えると、どんなに富裕層の投資家であっても、短期的な価格変動リスクから資産を守るためには現金が必要だからです。資産価値が暴落した時に、フリーな資産として貯蓄があれば値下がりした資産を追加で買付けしたりできますし、苦しい局面を乗切るための心理状態もフリーの資産があってのことです。

因みに、この貯蓄30%の他に、外貨資産(海外資産)30%を併せて持つと、資産運用としてのバランスが良くなります。残りの40%は国内株式・債券や経済状況によっては金(ゴールド)や不動産を持つことが考えられます。「貯蓄30%、海外資産30%」をベースに、各人の状況、属性や経済の見通しなどをもとに、割合を調整していくとポートフォリオを構築しやすいでしょう。





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