ヘッジファンド証券コラム

信用取引と空売りのしくみ

掲載日:2014-08-04

株式投資をしていると、よく「信用取引」という言葉を聞きます。これは、どのような取引なのでしょうか?

投資における信用取引とは

「信用」とは、お金やモノを借りることを意味します。投資においても、お金や株式を借りることで、手持ち金額以上の大きな取引が可能であり、それを信用取引といいます。

まずは、お金を借りてきて株式を買う「買建て」を紹介します。
証券会社から借りたお金で株式が購入できます。その買い注文が成立すると、約定金額(株価×株数)の30%以上(その金額が30万円に満たない場合は30万円)の「委託保証金」を差入れます。例えば、ファーストリテイリング(ユニクロ)株を買うには、本来、300万円(株価30,000円×100株)もの資金が必要ですが、信用取引では、90万円(300万円×30%)があれば取引できます。元手90万円で300万円分の投資、レバレッジの利いた投資となります。

また、信用取引には「一般信用取引」と「制度信用取引」の2種類があります。
一般信用取引は、借りたお金を返すまでの期限や利息の率、対象となる銘柄などを証券会社が決めます。一方、制度信用取引は、証券取引所が選定した銘柄のみを対象にしており、お金の返済期限は6ヵ月と決まっています。ただし、利息の率は、一般信用取引よりも低めに設定されています。

空売りとは

信用取引では、お金の他に株式を借りてくることもできます。値下がりしそうだと思う株式を借りてきて市場で売却します。その銘柄が値下がりしたところで買戻して、借りている株式を返します。売却した時の(受取り)代金と買戻した時の(支払い)代金の「差額」が損益となります。通常の株式投資では、「買って→売る」という順序のため株価が上がらないと利益になりませんが、信用取引では「売って→買い戻す」取引ができるので、下落相場であっても利益を上げることが可能となります。

当然のことですが、予想に反して株価が上昇すると、その分、損失を被ることになります。これを信用の売建て、一般に「空売り」といいます。なお、株式を借りるにあたって、金利に相当する「貸株料(かしかぶりょう)」を証券会社に支払います。

信用取引を行うにあたっての注意点は?

・期限に注意

制度信用取引では、借りているお金や株式の返済期限が6か月と決まっています。返済するには、保有している株式を売る、空売りしている株式を買戻さなければなりません。そこで、株価が利益の出る水準であれば問題ありませんが、損失が出ていても手じまい(決済)することになります。このことから、制度信用取引は6ヵ月以内に利益を狙う短期投資向きといえます。制度信用取引の利息の低さは魅力的ですが、こういった期限のリスクを避けたいと考えるのであれば、返済期限が無期限の一般信用取引を利用するとよいでしょう。

・追加委託保証金

信用取引では、約定金額の30%があれば取引を開始できますが、予想が外れてしまい損失が出てくると、追加で保証金を差入れなければならないことがあります。それは、最初に差入れた保証金が、証券会社が定める最低ライン(委託保証金維持率、一般に20~25%)を下回った場合です。これを追加委託保証金(追証=おいしょう)といいます。

例えば、保証金を30万円入れて90万円分を買建て、委託保証金維持率が20%(90万円×20%=18万円)だったとします。保証金30万円から買建て株式の損失分を引いて、18万円を下回ると追証が発生します。つまり、30万円-18万円=12万円。買建て株式が12万円(12万円÷90万円=13.3%)を超えて値下がりすると追証発生となります。

追証は、証券会社が指定した日時までに差入れます。それまでに証拠金の追加をしないと、自動的に決済(買建て株式は売却、空売り株式は買戻し)されてしまいます。なお、追加で差入れるまでの間に株価が戻ったとしても、追証の金額が減ったり解消されたりはしませんので、注意してください。





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