ヘッジファンド証券コラム

信託財産留保額とは

掲載日:2014-08-04

投資信託説明書やパンフレットの「費用」の欄に「信託財産留保額」が有るものと無いものがあります。これは、どういった類のコストでしょうか?

信託財産留保額とは

信託財産留保額は、投資家にとっては一応コストと認識されますが、申込み手数料や信託報酬のように運用会社や販売会社などの収入となるものではありません。これは、解約する投資家が、解約する時に支払うものですが、そのお金は投資信託財産としてファンドの中に残されます。すなわち、その投資信託を保有し続ける投資家の財産となるものなのです。

投資信託は、投資家のお金を集めて、株式などに投資しています。株式などを売買する時に個人投資家が証券会社に売買手数料を支払うように、投資信託が株式などを売買する場合でも証券会社に手数料を払っています。投資信託を解約する人がいると、その解約者にお金を支払うために、投資信託は持っている株式などを売却しなければなりません。そこで売却のための手数料がかかります。また、大きな金額の解約になると、組んでいるポートフォリオを一旦崩して建て直す必要が生じる場合もあります。このように、解約する人のために、投資信託がコストを払ったりダメージを受けたりすることがあり、その負担は、その投資信託を保有し続ける投資家にかかってきます。それでは不公平ですので、解約する人には相応の金銭を残していってもらって、公平を図ろうというのが信託財産留保額です。

今は「解約時のみ」が普通

なお、株式などを買付ける場合にもコストは発生するので、かつては購入の時にも信託財産留保額が設定されたファンドもありましたが、今は「解約時のみ」設定されるのが通常となっています。その意図として、投資信託を頻繁に売り買い(短期での回転売買)をされると、運用の安定性を保つことが難しくなりますので、それを抑制するためのペナルティとしての性質も有しています。

信託財産留保額を設定しない投資信託もありますし、商品ごとに率も違いますので、購入する前に説明書などで確認する必要があります。ただ、投資家としてコスト負担の一種ではありますが、このような趣旨がありますので、信託財産留保額の有無によって有利・不利を一概に決することはできません。

投資信託の換金(解約)した場合の価格は?

信託財産留保額の金額(率)は、商品ごとに異なりますが、一般には年率0.1%~0.5%程度の範囲で定められています。解約するときには、この率を差引かれて(留保して)換金することになります。

投資信託の時価は「基準価額」といい、毎営業日に計算され、発表されています。その基準価額から信託財産留保額を差し引いたものを「解約価額」といい、これを解約するときの約定金額の計算に使います。例えば、基準価額11,000円、信託財産留保額0.2%の投資信託であれば、「11,000円-(11,000円×0.2%)=10,978円」が解約価額となります。因みに、信託財産留保額がかからない投資信託は、基準価額と解約価額が同じ値になります。

「解約価額×保有口数」で計算した金額が、解約の約定代金となります。そこから購入金額(基準価額×口数+手数料)を引いて収益となっていれば、それに20.315%の税金が源泉徴収された後の金額が解約した時の手取り額となります。





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