ヘッジファンド証券コラム

投資の確定申告をする方法

掲載日:2014-09-30

投資収益は、原則として確定申告をしなければなりません。ただし、確定申告をしなくてよい制度も作られており、敢えて確定申告をした方が節税になるケースもあります。

確定申告の方法

株式投資信託や株式の譲渡益は「申告分離課税」が原則であり、給与などの所得とは別に損益を計算して確定申告をしなければなりません。毎年1月1日から12月31日までの1年間の取引について、取引一つ一つの利益と損失をすべて合算します(損益通算)。その結果がプラス(利益)となった金額に対して税率20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)をかけた金額が税金となります。

確定申告という面倒な税務手続きを簡単にするために、販売会社(証券会社や銀行など)に特定口座があります。特定口座には、さらに「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」がありますが、「源泉徴収あり」で取引をすれば、自動的に損益通算と税金の徴収が行われますので、確定申告の必要はありません。「源泉徴収なし」の口座では、自分で確定申告をしなければなりませんが、販売会社から受取る「年間取引報告書」に損益通算をした結果など確定申告に必要なデータが掲載されているので、その報告書から数字を転記すれば簡単に確定申告ができます。

確定申告をした方が良いケース

特定口座「源泉徴収あり」で取引をしている場合は確定申告をする必要がありません。利益が出ている時は便利なのですが、通算して損失となった場合、その損失は税務当局に認知されることなく課税関係が終わってしまいます。そこで、敢えて確定申告をすることで、その損失を節税に活かすことができます。

■損失を翌年に繰越す

1年の損益を通算した結果が損失の場合、その損失を翌年に繰越すことができます。損失を繰越しておけば、翌年に利益が出た場合、その利益から今年の損失を差引きますので税金の節約になります。

例) 2014年の取引:300万円の損失 →確定申告をして繰越し
   2015年の取引:100万円の利益 →繰越した前年の損失と相殺して、利益は0円 
控除しきれなかった200万円(300万円-100万円)をさらに繰越し
   2016年の取引:250万円の利益 →繰越した損失を差引いて、利益は50万円
   この50万円が課税の対象。税額は、50万円×20.315%=10万1,575円

この例では、もし確定申告をしなかった場合、2015年は20万3,150円(100万円×20.315%)、2016年は30万4,725円(150万円×20.315%)を納税することとなります。

■複数の販売会社で取引をしている場合

確定申告をすると、異なる販売会社で取引した損益を通算することができます。一社でも通算結果が損失だった場合は、確定申告をすると節税になります。

例)1年の通算損益が、証券会社Aで300万円利益、証券会社Bで100万円損失だったとき
  確定申告をしなかった場合: A社分 300万円×20.315%=60万9,450円の納税
                B社分 課税なし
  確定申告をした場合: (300万円-100万円)×20.315%=40万6,300円の納税
              → 過払い分20万3,150円が還付されます。

分配金(配当金)について

給与の収入金額が2,000万円以下で、分配金を含む所得が20万円以下の場合は確定申告をする必要がありません。
ただし、分配金や配当金を総合課税として申告すれば、所得の合計金額によって、所得税については配当所得の10%または5%、住民税については2.8%または1.4%の配当控除を受けることができます。
課税所得が330万円以下の場合や、配当所得の合計が38万円以下で他に所得がない場合は、総合課税として申告をすればメリットがあります。

ただし、確定申告をするとその分の所得が増加したと認識されますので、配偶者控除の対象から外れる、各種手当が停止される可能性がありますので注意が必要です。
損益通算と配当控除は、どちらかを選択することとなります。

※上記は、税金の一般的な説明です。税金の取扱は、各人の所得状況、家族構成等によって異なりますので、実際の申告等にあたっては税理士や管轄の税務署等にご確認ください。

なお、上記は公募投資信託の税制について説明したものであり、私募投資信託の税制は異なります。





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