第54回ゲスト:
メンタルコーチ 山之上雄一様
5月23日(水)、第54回目となる鉄壁クラブを開催しました。
今回は、メンタルコーチの山之上雄一様をお招きしました。
山之上様は、アドラー心理学をベースにしたコーチング手法を用いて、経営者やマネージャー層などのビジネスパーソン、プロアスリート、専門職といった幅広い方々へ、目標達成・チームビルディング・スキルアップなどのサポートをされています。
山之上様がコーチングに携わるようになったきっかけは、ご自身がお勤めしていた企業で役員をしていた際に、人間関係に悩んだことからでした。
当時は、部下に優しく接しても厳しく接しても離れていってしまい、仕事はたくさんあれども人材不足で追いつかず休みなく働く日々だったそうで、周囲の人間に疑心暗鬼になり、なぜ自分はこんなにまでして働いているのかとモチベーション維持ができなくなってしまったそうです。そこから心理学などを学んでいき、さぼってばかりいた社員が協力してくれるようになるなど周囲が自然と動いてくれるようになった変化を目の当たりにし、自らコーチング技術を身に付けるまでに至りました。そんな背景もあり、自らを「メンタルの弱いメンタルコーチ」と称しています。
今回は、聞いてすぐにでも使えるマネジメントやコミュニケーションにおけるポイントについて中心に、実際よくある相談例に基づきお話しいただきました。
・部下のモチベーションをあげるにはどうしたらよいか?
何のためにやっているのか?という目的を明確にすることです。この目的の定め方にも、ビジョン型と価値観型という二つのタイプがあります。
ビジョン型は、イチローや本田圭佑のように、何歳までにこうなる!というビジョンを明確にしてそこへ向けて努力していくタイプで、価値観型は、何をしている時に自分は喜びを感じるのか(例えば営業マンとして、お客様に最適な価値を提供できた時にやりがいを感じた、など)に着目します。
いずれにしてもこのように「自分軸」を明確にすることが肝となります。
・それならと、「自分軸」を聞こうとするが、話してくれない
安心安全だと相手に思ってもらえる環境づくりが重要で、そのためには『信頼関係の築き方=接触回数×自己開示』をすることです。
おはようと一言声をかけるなどの単純接触の回数を増やすだけでも距離が縮まるそうで、また、自分からオープンにすることで返報性の法則により相手にも心を開いてもらいやすくなります。
こうして関係を築いた後に気を付けることは、ひとまず自分の意見を挟まず話を聞くということです。ここでつい、良かれと思って自分の評価判断に基づいてアドバイスをしてしまいがちですが、相手からすると否定された気になりまた心を閉じられてしまうことになりかねません。人は受け入れられた時、初めて変化する余裕を持つのだそうです。
こうしたことを聞いた当初からやろうとしてもなかなか継続が難しいこともありますが、その際は自分への「勇気づけ」が大切になってきます。最大の「勇気づけ」方法は、『感謝』の気持ちをもつことだそうです。
変化は、真っすぐ右肩上がりに伸びるものではなく、階段のように一歩ずつ伸びていくことで起こるものです。この自分への「勇気づけ」により積み重ねていくことで、自分から相手へと「幸せ」が広がり、世界も平和になっていくのだと最後に締めくくられました。
関心をお持ちいただいた方は、お取次ぎが可能ですのでお気軽にお問い合わせください。